NY株ハイライト 消えぬ懸念が上値抑制、金利上昇や収益不安 2018/4/26 7:29

・25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発
 4・17:24,787→4・24:24,024(▲763)→4・25:24,084(+60)
 半値戻しが相場の格言なら380ドル戻しの24,464まで320ドル上げる余地あり

・好決算と同時に見通しを引き上げた航空機大手のボーイング株が買われる

・ただ、米企業の収益拡大が今後も続くのかには不安も漂う
 明らかに下落基調で三角持合い症状、23,500水準まで下げてからバンド内を推移する可能性が高いチャートとなっている

・3%台に乗せた米国の長期金利なども横目に、積極的な買いを見送る

・ボーイングは1~3月期から通期の見通しを上げることは珍しい
・同社株は4%上昇し、1銘柄でダウ平均を95ドル押し上げた(ダウ全体で+59.70/25日)
 つまり、ボーイングなしでは7営業日連続下落だったということ

・ボーイング決算は、米中などの貿易摩擦が米国企業の収益を押し下げるとの懸念を和らげた

・とはいえ、24日の「キャタピラー・ショック」から投資家を立ち直らせるほどのインパクトはなかった
 4・23:24,449→4・24:24,024(▲425)
・キャタピラー幹部は24日、「1~3月期が1株利益の今期のピークになる」と発言

・今後は原料価格の上昇が収益を圧迫するとの懸念が強まった

・企業の弱気見通しに敏感に反応する状況

・好決算を発表後の説明会で示した見通しが慎重と受け止められたツイッターが朝高後に一時急落

・「米企業収益の拡大基調が続くのかを確認し、米長期金利の上昇が一服するまで株買いを見送りたい投資家は多い」ヒンズデール・アソシエイツのビル・リンチ氏

・原油高などによるインフレ圧力や金利動向、貿易や規制など政治関連と不透明感の強い要因多い

・「週末にかけて発表が続く主力ハイテク株の決算や株価の反応が目先の相場全体の方向性を左右する」スウォーズモア・グループのカート・ブランナー氏

<全文>

2018/4/26 7:29日本経済新聞 電子版
【NQNニューヨーク=川内資子】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発した。佳境の米主要企業による2018年1~3月期決算の発表を巡っては、好決算と同時に見通しを引き上げた航空機大手のボーイング株が買われるなど好材料には投資家は買いで反応している。ただ、米企業の収益拡大が今後も続くのかには不安も漂う。3%台に乗せた米国の長期金利なども横目に、積極的な買いを見送る投資家も多く、株式相場の上値は重かった。

 ボーイングの決算は「すべてが予想以上」(クレディ・スイス)だった。旺盛な需要に生産能力の増加などで対応し民間航空機、軍用機、サービスの全3部門の売上高と営業利益が増えた。特別項目を除く1株利益は市場予想を4割強も上回った。JPモルガンは「利益の上振れは税金や本業外からではなく、主力の民間航空機やサービス部門の採算改善によるもの」と指摘。堅調な本業が好決算をもたらしたと評価する。

 18年12月期通期の1株利益や民間航空機部門の売上高営業利益率見通しも引き上げた。ボーイングは1~3月期から通期の見通しを上げることは珍しいといい、経営陣の業績への自信を映したと受け止められた。同社株は4%上昇し、1銘柄でダウ平均を95ドル押し上げた。

 ボーイング決算は、米中などの貿易摩擦が米国企業の収益を押し下げるとの懸念を和らげた。とはいえ、24日の「キャタピラー・ショック」から投資家を立ち直らせるほどのインパクトはなかった。ボーイングと同様に国際事業の比率が高い建機のキャタピラー幹部は24日、「1~3月期が1株利益の今期のピークになる」と発言。今後は原料価格の上昇が収益を圧迫するとの懸念が強まった。

 企業の弱気見通しに敏感に反応する状況は25日も変わらなかった。好決算を発表後の説明会で示した見通しが慎重と受け止められた短文投稿サイトのツイッターが朝高後に一時急落した。ヒンズデール・アソシエイツのビル・リンチ氏は「米企業収益の拡大基調が続くのかを確認し、米長期金利の上昇が一服するまで株買いを見送りたい投資家は多い」と話す。原油高などによるインフレ圧力や金利動向、貿易や規制など政治関連と不透明感の強い要因は確かに多い。

 スウォーズモア・グループのカート・ブランナー氏は「週末にかけて発表が続く主力ハイテク株の決算や株価の反応が目先の相場全体の方向性を左右する」とみる。投資家の関心が高まる金利や景気、規制動向の影響を受けやすい企業が多いだけに、投資家心理を映しやすいというわけだ。

 25日夕にフェイスブックが発表した決算は市場予想を上回る増収増益となり、時間外取引で同社株は大きく上昇している。だが、決算や経営幹部コメントのわずかな懸念材料に市場が反応しやすい。会員情報の不正流用問題に揺れたフェイスブック株の上昇が26日も続くのかどうかが一つの試金石となりそうだ。

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